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小説「涼宮ハルヒの消失」の世界でキョンと長門が会った後からのパラレルワールド的SS。一応、うp順にストーリーはつながってます。長門は俺の嫁。谷口自重。ずっと長門のターン。ちなみに消失を読んでない方には分かり辛いと思います。
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思いつきで書いた。今は反省している。

TAKE1 「連れてきたのは誰だ」

 我がSOS団にもついにPCが手に入った。まあ、ハルヒが無理やり強奪してきたものだが、この際だし思う存分に使わせてもらおうじゃないか。俺は秘密の朝比奈みくるフォルダを見ながら余韻に浸っていた。部室には長門以外には誰もいない。その長門は相変わらず本を読み続けている。
 突然、写真の中の朝比奈さんの目と合った。さっきまでこの写真の朝比奈さんは確かに横を向いてたはずだ。なのに何故、今こっちを見ている? そして少しニヤっとしたのが見えた。どういうことだ、これは。
 突然、PCの画面が乱れる。深夜のテレビみたいな状態になったあと、映像が映し出される。これは教室? 見覚えがあった。確かにうちの教室だ。どこのクラスかまでは分からないが。画面には一人の女が映っていた。彼女はこっちをじっと見つめている。俺は怖くなり、PCの電源を落とそうと試みた。が、どういうことかPCは消えない。数秒後、彼女はPCから這い出てきた。長門の方を見るが、本を読んだまま動かない。彼女は俺を見てこう言った。
「ここどこですか~? なんで私連れてこられたんですか~?」
 お前が勝手に出てきたんだろうが。



TAKE2
「谷口vs貞子」

 

「長門、眼鏡つけない方が可愛いと思うぞ。俺眼鏡属性ないし」

「眼鏡属性って何?」

 言ってから後悔した。属性なんて言葉は完全にオタク用語じゃないか。俺は普通の高校生のはずなのになんつーことを……。

「うぃーっす」と声がして振り返ると谷口が教室に入ってきたのが見えた。「WAWAWA 忘れ物~」なんて口ずさむセンスには脱帽する。

 そのとき、谷口の足元に見えてはならないものが見えた気がした。いや、はっきりと見えている。ナニカが這いつくばってこっちに向かってきているのだ。谷口は気付いてない様子だった。気付け、早く気付け谷口―なんてことを思っていると、ふとナニカは呟く。「WAWAWA 忘れ物~」と、確かにそう言った。谷口、まさかお前以外にも脱帽すべきセンスを持った奴がいたとはな。谷口はナニカの存在に気付く。そのナニカも釣られて谷口を見る。しばらくそのまま時間が止まった気がした。実際には4~5秒の間のことだが、谷口とナニカは見つめ合っていた。まさかお互いに一目惚れでもしたか?

「キョン」

「何だ」

「なかったことにしてくれ」

「無理だ」

「そうか」と言って谷口はくるっと後ろへ方向転換し、走り去っていってしまった。ナニカはその様子を目で追う。その後、いったんこっちを向いた後、もう一度谷口の方へ視線をやって、這いつくばったまま谷口を追っていってしまった。「たすけてくれええ」と叫び声が聞こえた気がしたが、空耳だろう。

「運命の出会い」と眼鏡をなくした少女は呟く。

 長門、さすがに今回ばかりは谷口に同情してもいいか?

 

 

 

TAKE3 「小泉貞子」

 

「東中出身、涼宮ハルヒ。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたらあたしのとこへ来なさい。以上!」

 諸君は覚えているだろうか。ハルヒが言った台詞を。この世の中にそんな存在がいるわけがない。俺だってそう思っていた。あの朝倉と戦った長門を見るまでは。宇宙人? 笑わせてくれる。夢でも見てるなら醒めてくれ。さあ、早く。

 ある日、部室に行くと長門がいた。いつもの光景だが、目で挨拶だけして椅子へ座る。そしてすぐにハルヒがやってきた。見たこともない奴を連れて。「謎の転校生が来たわよ」と嬉しそうな顔をして言うハルヒの隣には、顔も隠れてしまうくらい物凄く長い髪をして、白い服を着ていた女が立っていた。まるで何かの和風ホラー映画にでも出てきそうだ。というか制服はどうした? 本当にうちの生徒か? そもそも高校生か?

「この度一年九組に転校してきました。小泉貞子です……よろしく」

「おいおい……謎の転校生ってだけで連れてきたのか?」

「そんなわけないでしょ。聞いて驚かないでよ~? なんと小泉くんは超能力者なのよ!」

「はぁ? んなわけねーだろ」

「マッガーレ」と小泉が囁いた。その瞬間、小泉と目が合ったわけだが、凄い形相をしていて俺は何を見たのか解らないくらいに恐怖で打ちのめされていた。そして体に異変を感じた。気付くと体は色んな箇所が曲がっていて、既に俺の体は人間の形をしていなかった。意識が遠のいていくのを感じた。ああ、死ぬってこういうことなんだな。俺の記憶は、そこで途絶えた。

 

 

 

TAKE4「異次元空間へ介入」

 

 YUKI.N>みえてる?

 

 パソコンの画面に文字が映し出される。それを見て俺は少し安堵する。小泉もすぐに消えちまうし、こんな世界にハルヒと二人で残されてもたまったもんじゃない。長門なら何かしらの解決法を見出してくれるはずだ。

 

 YUKI.N>少しPCから離れて。

 

 それを見た俺は頭の中にクエスチョンマークを浮かべたまま、言われた通りに距離をとる。すると突然PCの画面に井戸が映し出される。周りの景色は……どこだ? 見覚えはない。井戸から手が出てきた。おいおい、これは何のジョークだ? 必死に井戸から這い出てきたのは、長門だった。ゆらゆらとたどたどしい足取りで少しずつ近づいてくる。ちょうど画面に顔が大きく映し出されるくらいの位置まで来た後、奇妙な出来事が起こった。とはいえ、既にハルヒと二人でいるこの世界が奇妙なわけだから、今さら驚く必要もないのだろう。長門は頭からPCから這い出てくると、その態勢のまま俺に近づいてきた。

「さすがにしんどい」

「そりゃそうだろうな」

 

 

 

TAKE5 「あなたに賭ける」

 

 YUKI.N>みえてる?

 

 パソコンの画面に文字が映し出される。それを見て俺は少し安堵する。小泉もすぐに消えちまうし、こんな世界にハルヒと二人で残されてもたまったもんじゃない。長門なら何かしらの解決法を見出してくれるはずだ。

 

 YUKI.N>顔を画面に近づけて。目を瞑って。

 

  それを見た俺は頭の中にクエスチョンマークを浮かべたまま、言われた通りに顔を近づける。そして目を瞑る。少ししてから唇に何かが触れた感触があった。驚いて目を開けると、新しい文章が加えられている。

 

 YUKI.N>あなたは私のファーストキスを奪った。あなたに賭ける。

 

長門、奪われたのは俺のほうだ。

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